ブラック企業で死にかけた俺の自己紹介 ~その9~

さて、紹介されたところは基地内の職業あっせん所だった。

職業あっせん所?ハローワークみたいなところか?と思ったが、まぁ概ねあってるな。簡単に言えば、基地内で働いている人だけが見ることのできる求人案件を掲載してある場所だ。

転職エージェントでよく言われる非公開求人と性質は似てるな。基地内の求人案件は公開こそされてはいるものの、基地内で働いている人=一部の人しか見ることができないし、オンラインには掲載されてない。つまり、ほとんど非公開求人みたいなもんなのさ。

「基地の仕事でやっていきたいなら、まず何でもいいから仕事みつけて基地に入れ」とよく言われる理由がここにある。内部からしか募集できない求人案件が結構あるからだ。

んで、そういう募集は正社員の募集であることが多い。正社員か日本語で言うなら期間限定正社員の募集であることがほとんどだ。

正社員は日本と同じ雇用の定める期間がない従業員にあたる。定年まで働いて1年以上働けば、退職金をもらうことができる立場にあたる。

期間限定正社員は、正社員と待遇は同じだが更新期間がある正社員のことを表す。3年が一般的だが、裏を返せば3年ごとに首を切られる可能性があることを示している。一応非正規扱いではある。

正社員と上記を含め非正規との大きな違いは、主に2つ。1つは公務員に準じた身分の安定性。もう1つは、ボーナスが付くことだ。

米軍基地内で働いている従業員は、一部の例外(外部からの派遣社員など)を除いて基本的に直接雇用だ。俺たちは各地の地方防衛局に雇用され、駐留軍等労働者労務管理機構(LMO)が給料をはじめとする部分の世話をしてくれる。

歴史的にかつては国家公務員だった経緯がある。給料を支給してくれるのも防衛省とアメリカさんだ。現在では「公務員ではない」と明記されているため公務員ではない。しかしかつて公務員だった流れを汲んでいることの最大のメリットがある。

それは、基本的に犯罪行為以外でクビになることがないことだ。

利益が上がらなかったからクビになる、人員整理のために早期解雇がある、ということは一般社会では比較的よくあることだが、俺たち基地従業員にはそれが原則ない。

整理解雇という一応条項はあるものの、よほどのことがないと発動されない。部署ごと丸ごと無くなるとか、そういうレベルに限られる。そしてそのような場合でも、LMOから基地内の別の類似の職を紹介されることもあるらしい。

次にボーナスが付く。これは単純だが年間でざっと4ヶ月分はつく。この差は大きい。

まぁ、募集がでなければ応募することも出来ない訳で、ある意味気長に待つことにした。焦る気持ちはあったが、焦っても結果が出るわけじゃないしと無理やり自分を納得させることにしたのさ。

それなりに勤務を重ねて、そろそろ最初の更新時期がくるなぁ~と思っていた5月頃の話。

俺と同じ職種勤務の募集がかかったのだ。

次回:ねんがんの○○をてにいれたぞっ!

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