さてこのページでは、履歴書に関係する内容を述べていこう。今回は、書き方ひとつで面接をコントロールする方法だ。
今回思うところは、多分これだろうな。
…いや、意味わからん。どういうことよ?
具体的な履歴書に記載する内容には、前回指摘したとおりだ。外見と内容と自分らしさ、である。
…もう賢明な人ならわかるかもしれないが、面接をコントロールするとは質問の内容を誘導することである。
これはテクニック面とスタンス面の両面を兼ね備えている話なので、少し冗長になるかもしれないが、その辺が嫌な人は上手に流し読みして頂ければ幸いである。太字読めばいいと思うよ。
就職や転職というゲームに勝つためには、最終的に採用担当者からの質問攻めをくぐり抜けなければならない。この点でどのような質問がされてくるか、の方向性をある程度履歴書で定めておくとやりやすいのだ。
よく見られる風景や質問のひとつに「面接でどんな質問されるかわからなくて怖い」というものがある。どちらかと言えば就職活動に取り組む大学生に多い傾向ではあるけどな。自己分析不足とか言われるが、これじゃ何言ってんだかよくわからんと思う人は多いだろう。
なのでこの質問は確かに気持ちとしてはわかる部分がある。だが実際には面接に臨む前にこんな気持ちになってしまう時点で、履歴書の段階で仕込みをしておけばいいのに、と俺は思う。
ではその仕込みとは何か考えてみよう。
「仕込み」とは
ずばり、採用担当者の質問を予想し誘導することである。
…まぁそのまんまなんだけど、意外とこの点について見落としている人は多い。というのも、就職活動や転職活動ではどうしても自分自身に目を向けていくことが多い。視野狭窄とまではいかないけど、それに近い状況になってしまう人は多い。
自己分析が大事だ!企業分析が大事だ!対策が大事だ!と少しネットで探せばいくらでも出てくるが、これに踊らされて結局何が大切なのかを見失ってしまう人がとても多い。これは大学生でも社会人でも一緒なんだ。
何度もあちこちで述べてはいるが、就職活動も転職活動も相手とのゲーム(勝負)なのだ。ゲームに勝つために必要なことは何か、と考えれば少し冷静に考えられるだろう。
「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。」使い古されている感が強いものの、しかし古代から述べられている通り、自分と相手を十分に知った人が勝つゲームである。
その意味では、「仕込み」とは相手を知る部分である。
採用担当者は自社の役に立つ人材が欲しい。自社が求めている人材とはどのような人材なのかを少なくとも方針程度は必ず決めている。まずその方針を調べ、予想を立てることから始まる。
その仮定を基にして履歴書を作成する。採用担当者が自分の履歴書を見て「どんな質問をしてくるだろうか?」ではなく…
「こんな質問を採用担当者から引き出してやろう!」が大切なのだ。
採用担当者だって就職活動に取り組む学生や、転職活動に取り組む社会人と同じ立場だった時が、ほぼ確実にある普通の人である。専門的な知識を備えている異次元の人ではないのだ。大抵の場合は(業界や業種による)。
つまり一般的な社会人の感覚を備えている人であるとみなせばほぼ間違いはない。そのためこの「仕込み」のために大切な部分は、第3者の目と意見を入れることである。
特に社会経験の少ない学生の場合は、ぜひ誰かに見てもらうことをおすすめする。独りよがりな内容になっていることが少なくないためだ。できれば就職指導課などのある程度の専門知識を備えている人たちに見てもらえれば、間違いが少なくなる。
じゃ具体的にはどのように書けばいいのか。
一言で述べるなら、相手にとって最も知りたい情報を多少ぼかして書くことである。
たとえば、自己PRで「私には協調性があります。なぜなら…」のような内容でエピソードを書くとしよう。その時に、そのエピソードで学んだ核心の部分をぼかして書くのだ。
たとえば「私には協調性があります。なぜなら、学生時代の部活動の経験からチームで動くことの大切さを学んだからです。」→この例の場合、採用担当者が考えることは「部活動の経験って何を経験したんだろう?」となる。つまりそれがそのまま、面接の場で質問される。
この「部活動の経験」を最初からこと細かく書いてしまうと、採用担当者からすると情報量が多くなってしまうために嫌がられる可能性が高まってしまう。仕事に関係していないと思われてしまう可能性まである。まとめることが出来ない人と思われてしまう場合すらある。
もちろん上の文章に加えて、全体として採用担当者から見て興味惹かれる内容でなければならないが、それはまた別の機会に。
ともあれ、ある程度自分に関する情報を小出しにすることがポイントだ。採用担当者の興味を惹きつけそうな部分を用意しておくことによって、面接時に質問内容を自然に誘導することができるのだ。
この誘導のテクニックを知った上で履歴書を作成しているかどうかで、面接の難易度が大きく変わる。質問内容を具体的に高い確率で正確に予想できるのなら、対策もその分十分に行うことができる。
反対に「どんな質問が来るだろう?」と考えているようでは対策の精度に差が出てしまう。結果として、面接時に回答する内容を的を得たものにすることがより難しくなってしまうのだ。
選考の最後は面接で決まる。そのためにも、履歴書を作成する段階から「仕込み」をしておくことで、内定や採用を格段に決めやすくなることを覚えておこう。
~書き方ひとつで面接をコントロールできる!?~のまとめ
履歴書に書いた内容ひとつで面接で質問される質問自体を誘導することができる。概ね情報を小出しにすることによって、わざと採用担当者が尋ねたい部分の情報を多少ぼかして記載することがポイントだ。